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だが彼女の顔には憂いのようなものが見える。
最も、この年頃の者ならば悩みが無い方がおかしいが。
彼女はもう一度髪をかきあげ、机に立てられた写真に眼を向けた。
少女とは対称的にお世辞にもかっこいい、とは言えない少年だ。
非常に長い顔だ。モアイを連想させるような長さだ。視力が悪いのか、目つきもよろしくない。だがコンタクトをしているのか、眼鏡はかけていない。
一言で言うと、全体の顔のバランスが非常に悪い。
ただ、目つきが悪いのに、どことなく人を安心させるような瞳だ。
雰囲気的にはなんらかの影を背負っているようにも見えるし、ごく普通の少年に見えなくもない。
そして、写真を見つめる彼女の顔も何故かとても安らいでいるように見える。
写真から眼を離し、明かりを消す。
ここに彼女の顔をずっと観察する者がいたのであれば、あることに気づいたかもしれない。
彼女の顔には一滴の汗も流れていないことに。