ネ4
隊長と住人の代表者は困惑しながらそう呟くが、
「いやっ!絶対いやっ!」
月夜は首を横に振り続けるのみ。
隊長は一度、俯き、そして、
「……月夜様……ご免っ!」
腰から鞘ごと剣を抜き、月夜の腹に一撃を放つ。
「…………」
何が起こったかわからず混乱する月夜はその場に倒れ、意識を失った。
隊長は月夜の涙の跡を拭くと、彼女を抱きかかえ、
「羅刹様……あとはお願い致します」
そう言いながら羅刹に月夜を託した。
「随行の兵はそれほど割けませぬ……三割が限界です」
「……それで充分だ……本当にすまない」
そう告げる隊長に羅刹は苦しそうに頷いた。
残った戦力で三割も割く事など出来る訳が無い。それは『死ね』と命令しているようなものだ。彼等はそれを進んで実行に移すと言う。そんな彼等を残していくのは羅刹も苦しかった。
しかし、それ位の兵力がなければ突破は不可能なのだ。
「では……我等残り七割が正門から討ってでます」
「ちょっと待て」
羅刹はその場を去ろうとした隊長を呼び止め、耳打ちした。