3
月夜の前にセインの奇襲攻撃から逃れた十数名が月夜を守るように立ち塞がる。
「死にたくない奴はどけぇぇぇぇぇっ!」
叫びと共にセインは左手から数十本の炎の矢を放ち、兵士達を呆気なく焼き尽くした。
「くそおぉぉぉっ!全員突撃っ!」
炎の矢をかわした僅か七名の兵士が玉砕覚悟でセインに斬りかかる。
しかし、斬りかかった一人目の兵士は胴を薙がれ、二人目の兵士は両腕を切断された。
一気に襲い掛かる三人の兵士は真空波でなぎ倒し、残る二人の兵士も瞬時の内にその頭部を切断した。赤い鮮血が辺りに飛び散る。
砂漠の砂は兵士達の赤い血を完全に飲み干した。
目の前の地獄絵図に月夜は愕然とする。
(……私がいなければ……彼等は死ななかった……街の人達も死ななかった……あの人の言う通りだ……)
セインは月夜にゆっくりと歩み寄り、
「…………」
月夜に言葉を掛ける事無く、剣を振り下ろそうとするが……
目の前の少女はぺたりと座り込みながらただ虚ろな目を天に向けるのみ。
セインは一度かぶりを振り、
「許せ」
それだけ言い、剣を月夜の首に振り下ろした。