カーテンとダンス

メニュー| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 |

5

5

そう心の中で独白しつつ、彼女に視線を向ける晃。

(……しっかし……)

綺麗である。

恐らくは、百人に『彼女は美女ですか?』と質問したら同じ答えが返ってくるであろう。

かわいい、と言うよりは綺麗。どのように、と問われたら『和風美人』と答えるのが一番適当であろうか。

腰の辺りにまで伸ばした見事な黒髪が彼女の色白の肌とよく合っている。

こんなふうに女性を見ていると随分スケベな気がするが、それすらも忘れる、という位彼女は美女、らしい。

らしい、と言うのは、それはクラスメイトの言葉であり、自分はそこまで彼女に見とれてないからだ。綺麗だとは思うが絶世の美女、と言うのは言い過ぎだと思う。(最も、自分の美術の成績は真面目に取り組んでいても『2』がついてくる程ひどい物なので自分の美的感覚については何とも言えないが……) 

それにしても暑い。

晃が彼女を見ている訳は彼女を見ていると心理的に涼しくなるからだ。

見とれているのとは違う、と思う。

彼女は暑さに強いのか全くといっていい程汗をかいていない。

汗一つかかない涼しい顔を見ていれば、こっちも気分的にいくらか楽になる。